後立山前衛 大谷丸山(1376.6m) 2011年10月30日

所要時間 6:02 大谷原駐車場−−6:42 大谷丸山 6:53−−7:12 大谷原駐車場

概要
 鹿島槍赤岩尾根登山口の大谷原近くの低山。登山道はないが藪はそれほど激しくないと判断し、秋のこの時期に。予想通り植生は唐松植林と落葉広葉樹林が中心で山頂部以外はほぼ笹無し。踏跡は皆無でカモシカの足跡くらいだが藪は薄かった。山頂部のみ笹に覆われ、小雨で雨に濡れた笹を掻き分けて三角点を探すのがちとイヤらしかった。山頂は先人の標識あり。樹林に覆われて展望は悪い

 丸山は全国に点在するが大町にも存在する。鹿島槍赤岩尾根入口の大谷原の南西で、標高差は約300mほど。1時間弱で手軽に登れそうである。小さな山なので事前情報収集はしなかったがたぶんほとんど登られることはないだろう。標高的に考えてまだ笹は出てこないと考えた。まあ、秋にちょっと藪漕ぎするには適度かもしれない。

大谷原から見た丸山〜鹿島槍
大谷原駐車場。車はゼロ 丸山目指して出発

 前夜は大谷原で宿泊。よく晴れて鹿島槍もすっきり見えているが駐車する車は皆無。冷池山荘は既に営業終了なのが影響しているのだろう。しかし雪は皆無で気温は適度に低いし夕方までガスが上がってこないので日帰りで登るにはいい季節だなぁ。そういえばもう11月というのに後立山に雪がないなんて珍しいと思う。大町市街から白馬辺りも見えたがまったく白いものは見当たらなかった。

 朝4時半は気温は高めで車に霜はついておらず満天の星空でしし座が上がっているのが見え、今日も藪が濡れることなく快適に登れそうだと喜んだのだが、。朝飯を食って登山靴に履き替えるため外に出ると小雨が降り出した! ええ、そんなぁ。でも今日はこの後は帰るだけなので、びしょ濡れになっても構わないのでこのまま出発することにした。もちろんゴアは持っていく、というかゴアしか持って行かないという表現が正しい。

 地形図を見ると大谷原側は顕著な尾根は無くどこも同じような傾斜の斜面なので、上を目指して適当に登るしかない。地形が読めないので下山時は方向を定めて下るだけ。まあ、小さな山なので少しくらい方向がずれても車道にぶち当たるが。

この急斜面を上がった 唯一居住者がいると思われる建物
巨大な廃墟 廃墟裏から斜面を適当に登る

 車道を僅かに大町市街方向に進み、右手上方に建物が見えたところで藪がない急斜面をよじ登る。まだ雨の降り始めなので藪は笹は僅かに濡れているだけだ。高台に出ると別荘らしい建物がいくつがあるが大半は廃墟で現在でも使用されているのは手前の1軒だけとみた。少し登ると大きな廃墟が登場、昔は宿だったのだろう。

標高1200mくらいまで唐松植林帯 落葉広葉樹林に突入
熊棚も見られた ダケカンバ(それとも白樺?)が多くなる

 その裏から斜面が立ち上がって本格的な登りとなった。予想通り植生は唐松植林に広葉樹が混じり、地面付近に笹は皆無。ただ、細い潅木が少し繁茂しており、歩きやすい隙間を縫って標高を上げる。最初は傾斜は緩いが徐々にきつくなってきて効率的に高度を上げられるが下りは滑ってコケないよう要注意か。標高1200m付近で植林は終わって落葉樹の自然林となりダケカンバだかシラビソだかどちらか判別しにくい木が増えてくる。踏跡は見られないが落ち葉の上には大型動物が歩いた跡が見られた。この主が熊なのかカモシカなのか鹿なのかはわからなかったが、下山時にカモシカと遭遇したのでカモシカのものだったのかもしれない。でも熊棚も見られたので熊も存在するようである。もちろん、いつものように熊避けの鈴はチリチリ鳴らしながら歩いている。

傾斜が緩み山頂付近に出る 山頂手前で檜登場

 傾斜が少し緩んで山頂かと思ったらまだ先に高い場所があり、進行方向を西から南西に変えてなおも上がっていく。相変わらず落葉広葉樹の自然林に細い潅木が混じるが笹は皆無で歩きやすい。いよいよ最高点と思われる場所が近づくと自然に生えたものだろうか、桧が目立つようになり、その奥に笹が登場した。イヤらしいことに最高点一帯は笹原になっていて雨に濡れている。丸山は三角点があるはずで、。昨日の鳩峰ではDJFに続いて三角点を発見できなかったこともあり、今日は三角点を目にしてから下山したいと考えていたのだが、この濡れた笹を分けて探すのは・・・。

檜の南側は笹藪。最高点はこの中 最高点。完全に笹の海
笹藪の中に落ちていた標識。木にくくりつけた 時間をかけて三角点発見!

 結構密だが覚悟を決めて濡れた笹藪に突っ込み、両手で掻き分けて地面に目を凝らす。最初の発見物体は三角点ではなく意外な物で、なんと手製の山頂標識であった。まさか他にも登る人がいるとは。もちろん、山頂付近には踏跡皆無、目印も皆無。笹の中の山頂標識以外は人工物は見当たらない、というか一面の笹だから人工物があっても隠れてしまっているだろう。今日は地形図を用意していないのでエアリアマップで三角点の位置を確認するとほぼ山頂のように見えた。最高点と思われる一帯の笹を掻き分けてしつこく探索を行った結果、完全に笹に埋もれた三角点を発見! さきほどの標識をくくりつけた木から南に約2mほどの位置であった。周囲の笹が刈り払われているようなことはなく、完全に笹の海の没していた。これで2連敗を避けることができた。

今回見かけた唯一の目印。高さからして雪のある時期か? 眼下に林道

 濡れた笹藪を脱出し、方位磁石を使用することなく下界の風景を参考に方向を定めて下山開始。傾斜があるし雨で湿って地面が滑りやすいので、掴まるのに適度な木が生えた筋を選んでガンガン下っていく。どれくらい方位がずれたのかちょっと気になったが、巨大廃墟のやや左(西側)に出ただけでほぼ往路を正確に辿れた。小雨が降る中を崖のような急斜面を下って林道に出て車に戻った。しかしまあ、まさかずっと雨に降られるとは・・・。

 

2000m未満山行記録リストに戻る

 

ホームページトップに戻る